文芸翻訳♬
会社で働くって、毎日100のタスクをこなすこと。それに加え
「ひとりで突っ走らない」「立場をわきまえる」「好き嫌いの感情を入れない」……
そういう基本的なところから、私には高い壁が多すぎました。
思い出すだけで、ちょっと胸が苦しいくらいです( ´艸`)💦
失敗が続き、自分は病気だ、会社を辞めて治療する、と同僚に言って、止められたことも。
同僚は優しい人で、「苦手なことはみんなあるよ」って、逆に私に助けられた出来事を、たくさん教えてくれました。
ホント優しい人。優しい人に、私はいつも救われています。
それでもやっぱり時々、自分一人が浮いているように感じる会社生活。
一生続けるなんて違う気がする、と、だんだん迷いが深まりました。
私は何が得意で、何が不得意なのだろう。
何が好きで、何が嫌いなのだろう。
一度全て洗い出してみよう、と、大きなスケッチブックに書き出し、得意、好き、周りに高く評価された、その3つが重なる点を、探しました。
1つだけありました。
それが、翻訳です。
100あるタスクのうち、それだけ。
でもそれだけは確かに、社内の誰より良いものが出来ると、自信をもって言えました。
よし、これを磨こう。
これを武器にして、生きていこう。
そう思って本格的に勉強を始めたのが、3年前です。
できれば物語の翻訳に携わりたいと思い、「文芸翻訳」と呼ばれる分野に絞りました。
試験を受けて級を上げていき、ついに準1級に合格。
「文芸翻訳協会 認定翻訳家」のところに名前を載せて頂けることになり、それから少しずつ、自分でお仕事を取りに行けるようになりました。
いくつか頂いたお仕事の中で、一番気に入っているのは、こちら。
有名な、フランダースの犬です。
多読で日本の英語力を上げる、を目指す「自習学校」の教材用に、翻訳させて頂いたもの。
自習学校は、慶応義塾の高校・大学で、長年英語とドイツ語を教えている桝谷先生が作られた、ウェブ上の学校です。
「英単語の意味がでてくる学習アプリはある。でも版権の問題か、翻訳がない。
翻訳がないと、物語が理解できない人も多いでしょう。
私は多くの物語を通して英語を学びましたし、自分が感動した世界の名作を、もっと読んでもらいたい。
名作を読めば、感情が動きます。そうして学んだ英語は、身に付きやすいんです。
世界の名作を、英語で気軽に多読できるシステムを作りたい。
年齢を問わず、楽しく英語を学べる学校を、作りたい。
これは長年教師をしてきた私の、ミッションだと思っています」
桝谷先生の言葉です。
私も物語やエッセイなど、多読を通して英語を学んだので、このお話に強く共感しました。
左に英文、右に翻訳。
調べた単語をクリックして登録しておけば、自分だけの辞書も作れる。
自習学校の特徴です。
「初心者向けのものから公開したいので、意訳ではなく、文法的に正しい形で訳してください。
翻訳本は出回っていますが、参考程度にしてください。日本語も古いし、誤訳も多いです」
とのお話だったので、なるべくどの英語がどの日本語になったのか、見比べやすいように、意識して翻訳しました。
一文一文、英文を読みこんで、丁寧に日本語にして、という作業をしているうち、すっかり物語の世界に潜り込んでしまって。
なぜかネロかパトラッシュに感情移入するのではなく、二人が住む村の、名もなき村人になりきった自分がいました。
ネロが小さなあんよにブカブカの木靴を履いて、パトラッシュと二人で牛乳を運んでいた頃、「なんて可愛らしい二人だろう」と、微笑ましく見ていた村人。
村一番のお金持ちに嫌われたネロに、優しい言葉をかける勇気も、権力に逆らう根性もなかった村人。
「村にたった一人でも味方がいれば、二人はあんなことにならなかったかもしれないのに。なぜ私はその一人に、なってやらなかったのか」と悔やみ、泣き叫ぶ村人。
そんな村人は登場していなかったのに、私はもうこの村人の気持ちで……翻訳し終わってもしばらく、後悔の涙が止まらないほど!
どうやら共鳴してしまう部分には、自分の過去の傷があるみたいですよ。
最近出会った方が、教えてくださったのですが。
だから過去を思い返してみましたら。
「たった一人の味方になってあげられなかった」経験は、一度ではありませんでした。
自分の安全が危ぶまれる状況なら、今だって、そんな勇気は出ないかもしれない。
でもなるべく、想像力を働かせて。
自分の「しない」という選択が、どんな影響をもたらすのか。
その影響をもたらすとしても、今の私にとって、「しない」選択がベストなのか。
後悔ナシに生きるのは難しいけど、少し考えるクセをつけ、後悔少なめに生きたいなぁ、と思いました。
話が逸れてしまいましたが、そんなふうに丁寧に、英文で描かれた世界をすくいとって、ふさわしい日本語を紡いでいく作業が、私はとても好きです。
このほかにもイソップ物語149話、シャーロック・ホームズシリーズの「緋色の研究」を翻訳しました。
物語自体が本当に素晴らしいので、公開されたらぜひ、読んでくださいね♪
日本語動画に英語字幕を付けるなど、日本語を英語にするお仕事も時々しています。
その時は少し感覚が違って、日本語の曖昧さをそぎ落とし、一番言いたいことを前に持ってくる、といった形に、構成しなおすような作業です。
英語のシンプルな響き、力強さを活かすように、という想いでやっています。
そんなTokko in Wonderlandの翻訳。
料金の目安を、書いておきますね♪
英語⇔日本語
約300ワード(文字) A4 1ページ
¥5,000~¥7,000 × ページ数
約500ワード(文字) A4 1ページ
¥8,000~¥10,000 × ページ数
多少余白があってA4用紙1枚なら、約300ワード。きちきち!で約500ワード、という感じです。
これより全然短い文章でも、喜んで承りますよ♪
例えば、友人へのお手紙を英語にする、ビジネスレターを書いてほしい、など。
ビジネスレターやメールは、特に得意です。15年勤めた会社で、輸入の仕事をしていたので♪
そんな短い文章ならすぐ対応できると思いますが、例えば、長編小説の翻訳を抱えているときに、もうひとつ長編、となると納品が遅くなってしまいますので、事前にだいたいのページ数や希望納期を、お知らせくださいね。
↓ お問い合わせボタンか、「コンタクト」ボタンより、おたよりお待ちしておりまーす♬
今日があなたにとって、素敵な一日となりますように☆彡 愛をこめて💛💛💛